出処進退は自分で決めるもの by小泉

案の定、寛仁親王殿下の、皇位継承問題に対するインタビュー記事が発端となり朝日新聞産経新聞の文通が始まったようだ。言い換えると、お互いが自社の社説欄に相手の前日の社説の反論を載せているということなのだが、これを最初に「文通」と表現した人はすばらしい。俺は初めて見たときには大笑いしたよ。


ところで、皇室というのはますます哀れな存在に思えてきた。一族の行く末まで他者の手によって充分な議論も為されないままに決定されるかもしれないのだ。それは、もともとの歴史的な経緯からそうなっているとしても、議論の過程がなおざりならば当事者として口を挟むのは当然であると思う。それに対して、今回の朝日のように批判の声が上がるのも、憲法を考えてみれば分からないことではない。けれども、ここに政治的意図がいかほどあるのであろうか。それでも、日本国家の象徴としては、これも笑ってやり過ごすしかないのであろうか。

しかし、一番悪いのはろくな議論をして来なかった国民なのかもしれないが、大半の国民はそれほど実益がないものに注力するほど暇でもないのが実情ではなかろうか。結局は外野でこういうやりとりを見て冷やかしに行くのが面白いということなのだろう。