前キャン電撃について考える前に

そもそもブランカの強さというのは、長いけん制(下大Pとか斜め下大P(通称ぞうきん)とか)と比較的安定してる対空技(下大Pや垂直昇り大P(+早出しバーチカル))による近寄り難さにあり、しかし接近時の切り返しに比較的乏しいキャラなので近付いてしまえばブランカが不利になる展開が多かったのだが、ここに前キャンが加わることによりけん制、対空、接近戦の足りないところがうまい具合に補完されてしまったのが厄介なところとなっている。しかもその対処法というのも実に確率的なものでしかない。もともと格ゲー自体が確率的に流れているところはあり、それ故に他キャラと戦うときよりも体力の削り合い、シーソーゲームにならざるを得ないところなのに、加えてこちらが読み勝ったときの期待できる展開とブランカのそれでは後者のほうにかなり分があるという点で、またスパコンオリコンなどのぶっ放しも加わってくることからもブランカを相手に常勝するというのは中々難しい。それがここ最近の変わることの無い流れだろう。

この確率的な部分を読み合いといえばカッコよく聞こえるけど結局運である。もしくはじゃんけんみたいなもの。実際はじゃんけんよりタチが悪いのだけど。ブランカを相手にするときは特に強く思ってしまう。

先ほど格ゲーは確率的に流れると言ったけど、それでも培ってきた知識とかキャラ操作は当然ないといけないわけだ。カプエスってのはこの運で決まるところと腕で決まるところのバランスがよかったから少なくとも公式全国大会までは広く遊ばれてきたところがあったのだと思う。運といっても腕に差がありすぎればそれはほとんど効いてはこず、同等な場合にやっと勝因になり得ると私は感じているが、まず基礎が無いと安定して勝てない、プレーできないというところはやりこみ甲斐があるということでもある。ただ漫然と対戦していたのでは駄目で足りないところを理解しそれを埋める努力と環境がないとなかなか身に付かないところであろうが、この点は評価されてきたところだろう。

しかし前キャン発覚後はそのバランスが崩れてしまった。正確に言えば、多くの人にそう思われてしまったのだ。その崩れ方には2つあって、ひとつは前キャンをすること自体が一般的に高度であり、それに対する対策もまた高度であるゆえにこの点だけでも出来る人とそうでない人にかなりの差が生まれ、しかも無敵付加という前キャンの性質上挫折せざるを得なくなってしまったこと、もうひとつは前キャンだけ出来れば後は運任せで勝ててしまうというところでバランスが運の方に傾いてしまったのでは、と考えている。確定的な書き方をしてないのはこれがネット上の伝聞からの推測であるからだ。実際私の仲間内で前キャンがあるから挫折したという人はいなかったし、前キャンにかまけて運任せでは勝てないことは比較的最初の段階で気づいてしまっていたし、また周りのゲーセンでもそれが原因で人が減って行ったとも感じ辛かったのであまりピンとは来ないのだけど、それでもこの方向は間違っていないと思う。

まあ憶測は置いておくとして事実だけ見れば、前キャンの登場により一見してゲーム性が壊れたと感じ離れていったのが大勢ではあった。がしかし、実際は前キャンがあろうがなかろうが結局、くじけずにやり続けていればという前提ではあるけれど、基本的には腕と運のバランスはそう崩れていなかったというのが私の実感である。現状の一般的な対戦事情を見ていても前キャンが出来なくても対処の仕方が理解できていればあまり障害はないように感じる。もともと前キャンが使えないPグル、Kグル使いが今も生き残ってるということを見ても、それは分かってもらえると思う。

ところが、例外というのは往々にして存在するように、それに当てはまらないキャラというのがブランカであり、本田であり、人によってはバルログ、響などもここに入れるかもしれないが、これらはやり続けてる人たちでさえ先ほど言ったバランスを崩していると感じざるを得ない張本人たちである。ブランカの無敵電撃に対する知識があっても完全に対応していくのは上級者であっても難しいということは、出回ってる動画でも見てもらえれば分かるだろう。運もあるけどやっぱり腕だよね、とカプエスを楽しんでいる側からすれば、じゃんけんに似てるようで実は相手が有利な駆け引きを常に強いられるのは苦痛ではなかろうか。

ここまでブランカに対する不満をぶちまけてきたわけだけど、だからといってブランカ使いは「フーン、だから?」と思うだけだというのは想像に難くないし、ブランカを使えばいいじゃないというお決まりの話にもなろう。しかし、持ちキャラでこれを乗り越えてこそ面白さがあるというものである。それにはまずブランカの無敵電撃を用いた基本的な立ち回りを知る必要がある。そうでないとじゃんけんも出来ない。次回でおさらいの意味でも最近出回っている動画からそれを読み取ってみたいと思う。




ちなみに・・・CバイソンAブランカは 5分以上あるかも・・・と思ってます。腕の差があるとかまとわりつかれるときついのは変わりないんですけど、苦手意識というのがあまりなかったりします。で、AブラよりCブラのほうがやりづらい罠。ここら辺も後ほど・・・