暗いNational

松下のCMが流れまくる毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今私は、サンヨーの石油ストーブで暖を取っているところです。


8日の日経新聞を読んだときに見かけた記事のひとつに、松下の今回のストーブ事故のことを扱ったものがありました。うろ覚えですが、当初の計画では事故が起こった当該地区だけでお詫びCMを流すだけだったのが、修理したストーブがまたも死亡事故が起こすという想定外の事態に発展し、全国にお詫びせざるを得なくなったようです。対策費で200億を超えるみたいですね。すげー。
しかし、それよりも重大な原因として横たわっていたのは、顧客名簿の処分ということでした。仮に名簿が残っていたのなら、それを元に直接顧客に訴えかければ済んだことです。
その処分の背景としてあったのは、顧客情報漏えいを恐れたことと個人情報保護法の扱いということでしたが、この2点ともに企業のありようとしては失格に思えます。


商品を買ってもらえるということは、信用を得ているからこそのものであり、故に金と一緒に顧客情報も得られるわけです。信用を得たからには商品に対する責任と生じる義務を全うすべきであり、得た情報はリスクや脅威から全力で守ることが求められるはずなのに、名簿処分という顧客に対する裏切りをした時点で松下の運命が決まってしまったのではないでしょうか。
また、個人情報保護法というのは、最近我々も事あるごとにプライバシーポリシーなるものを目にするようになりましたが、要はあそこに書いてあることです。簡単に言って、得た個人情報は目的以外には使用せず、また第3者に譲渡しないということです。あくまで内部の規律の問題で、これが名簿処分の理由になりえるとすれば、それは曲解としか言えません。しかしながら全国的に見て適切に解釈されていないのを考えると法律の適用範囲のあいまいさは指摘できるわけですが、それでも前者が情報保護の理由として本質的なために責任放棄と言う見方は崩せないと思います。


松下が顧客名簿を持つ意味をしっかり捉えていなかったのは致命的でした。このまま致命傷に至ることはないでしょうけれど、同じ轍を踏まぬよう各企業にはお願いしたいところです。